柴門ふみ 『ザ・ゴールデン』
- 作者: 柴門ふみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/06/30
- メディア: コミック
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ゴールデンを目指すADに焦点を当てた、テレビ局の制作現場での人間模様。
登場人物の思惑が様々に絡み合う。
あらすじ
AD二年目の友部ゆみは、一生懸命で周りに気を使えるが、ちょっと空回りする。
社員ADの加納チカコは、仕事を完璧にこなすが、トゲがあって周りとぶつかっている。
対照的な二人と、ゆみがあこがれていて、チカコの元カノの羽柴を加えて、人間模様が動き出す。
感想
正反対な二人が鮮明に描かれているのが一番面白かったです。
分かりやす過ぎかなあとも思いましたが、それくらいでちょうどいいのかもしれません。
周りに気を使うことと、周りを引っぱること。
どちらも大切な事で、どっちらが優れているという問題ではありません。
その場その場で適している方が変わってきます。
ただ、どちらか一方だとあまり良くない、ということをもこの作品は暗示しているように思えます。
ゆみは、周りに気を使うため行動できずに、結局仕事で成功するチャンスを逃してしまう。
他方でチカコは、その行動力で周りを引っ張っていくが、反感を買ってしまう。
そんな二人が対照的に描かれているからこそ、中庸という要素が浮き上がってくると思います。
この作品は一巻で終わります。
しかし、『はんなり』という作品でチカコとゆみの話が続けられます。
どちらが相手の長所を自分のものにできるかという成長に興味が持てます。