槙ようこ 『愛してるぜベイベ★★』
- 作者: 槙ようこ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/11/15
- メディア: コミック
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難しいテーマを明るく書いていて、読後感がよいです。
―あらすじ―
女遊びに忙しい高校生の片倉結平が家に帰ると、知らない女の子がいた。
その子はおばさんの娘で、母親であるおばさんは、夫を亡くしたこと原因で失踪してしまった。
そこでまだ幼い女の子、ゆずゆを片倉家が引き取ることにした。
ゆずゆの面倒は結平に任されることになった。
―感想―
母親の失踪とか、高校生の育児とか、重いテーマを描いているはずなのに、あまり嫌な気持ちになりませんでした。
読後感がよいです。
その理由は、主人公である結平に物語の焦点が当たっていないからだと思いました。
物語の焦点は、どちらかというと結平の周りにあります。
ゆずゆや、結平の恋人になる徳永心などが、物語を動かしていきます。
結平のほうは、物語を動かすような要素がほとんどありません。
女遊びが激しいという要素は、序盤に心とくっつくことになり、消えます。
あとは、高校生が幼稚園児の面倒を見るという要素も、結平があまり苦にしないために消えます。
早いうちに、結平が外見に人間味を加えたいい男になってしまうのです。
よって、周りが作り出す問題を結平が解決するというのが物語の構造になります。
そこで、結平のキャラクターが問題の重さを和らげているため、読後感がよくなっています。
ただ結平は出来すぎだとも思ってしまいます。
でもゆずゆの可愛らしさを見たらああなってしまうのでしょうか。