二ノ宮知子 『GREEN ―農家のヨメになりたい』

GREEN(1) (KC KISS)

GREEN(1) (KC KISS)


単純かつ豪快。
そのうえ思い込みが激しくて、感化されやすい。
こんなヒロインの奇行に笑わされます。



―あらすじ―


友人のカップルとともに、キャンプに来ていた吉岡和子(ワコ)は、地元の農家の小野誠(マコト)に一目ぼれ。
ワコはキャンプを抜け出して臨時の手伝いに押しかける。
自然への適応力と物怖じしない精神力、そしてとりえの料理で奮闘するも、手伝いは終了。
もう駄目かと思ったら、マコトもワコに惚れていた…?



―感想―


ワコの行動に笑わされます。


彼女は夢中になると、全く周りが見えなくなります。
食紅を血と勘違いして川へダイブしたり、
実家へ帰りたくないがために天井裏に隠れたり、
などなどのおかしな行動を繰り返します。
けれども、ワコの行動は迷惑をかけるものの、憎めません。
自分勝手な動機からではなく、マコトなど他人を思ったうえでのことなのです。
しかも彼女は徐々にマコトだけではなく、農業にも興味を持っていきます。
元々、自然に対して抵抗がないのもあるし、持ち前の精神力もあるためでしょう。


思われ人のマコトはどうかというと、そんなワコを好意的に見守っています。
彼は、農業に対してひたむきに取り組んでいます。
そのために、ワコにべったりという訳ではありません。
仕事の方を優先してしまうため、言葉が足りなかったり、かまてあげられなかったりします。
ここから、ワコの奇行が始まる事が多いのです。
といっても、彼女の勘違いがほとんどなのですが。


というような、農業における、おかしな女とまともな男のドタバタを楽しめました。