西炯子 『娚の一生』

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)


「…だから?早よおいで 腕疲れる」
大人のエロさがぷんぷんする恋愛話。

―感想―


三十半ばの有能な会社員である堂園つぐみと、五十初めの大学教授の海江田醇の恋愛物語です。自分よりもずっと年上の恋愛を読んだ感想を一言で言うと、グッときました。恋愛とエロさが同居していて、とても艶めかしいと思いました。大人の恋愛を楽しめました。でもそれだけじゃなくて、不器用な面も多く出てくるので、十分共感できました。


海江田の仕草がいちいちエロティックでした。五十代なのに、カッコよくて、風情があって、何をしていてもさまになっています。大学教授だが、どこか情動的な面もあり、またそっけなくもあり、となかなか掴めない人物です。そんな彼がすると、たちまち艶めかしさが出てきます。


つぐみのほうは、とてもめんどくさい人だと思いました。自分もどちらかというと、こっちのタイプですので、つぐみに共感していました。つぐみは、恋愛に関して、めちゃくちゃ受け身なのに、言い寄られるだけじゃ相手を信用しない人です。自分に自信がないから、自分だけを見てくれる人と向き合う勇気がない。けれど人から愛されたいっていう不器用かつ厄介な思考パターンを持っています。めっちゃめんどくさい人です。でもつぐみはそんな性格だからこそ、どんどん踏み込んでくる海江田と恋愛ができるのだとも思います。


こんな二人の恋愛を読んでいて、自分は男なのですけれども、本当にドキドキできました。